吾輩は猫である。
名前はまだない。
石油と聞けば、
多くの人は、
ガソリンを思い浮かべる。
車を動かし、
飛行機を飛ばし、
船を走らせる。
だが、
人間は時々、
ナフサという言葉を口にする。
なぜ、
そこだけ注目されるのか。
吾輩は思う。
目立たぬものほど、
暮らしを支えていると。
ナフサは、
車を走らせるためだけではない。
プラスチック。
合成繊維。
洗剤。
医薬品。
塗料。
日常の多くが、
そこから生まれている。
だから、
価格が動けば、
多くの製品へ影響が広がる。
人間は、
完成品を見る。
だが、
本当に大切なのは、
その一歩手前にある材料かもしれぬ。
猫も、
完成した寝床だけを見ることはない。
暖かさ、
風向き、
日当たり。
土台が整って、
初めて安心して眠れる。
同じことである。
吾輩は猫である。
石油は使わぬ。
だが、
見えぬところで支える存在の大切さは知っている。
ナフサとは、
表には出にくいが、
暮らし全体を静かに支える縁の下の力持ちなのだ。
目立たねど
暮らし支える
縁の下