【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

吾輩は猫である ―猫交代 編(大事にして欲しいにゃん)―

2026年7月5日

吾輩は猫である ―猫交代 編(大事にして欲しいにゃん)―

吾輩は猫である。
名前はまだない。

いつもの場所に、
少し違う気配がある。
新しい匂い、
新しい足音。

人間はこれを、
交代と呼ぶ。

新しい猫が来る。
若く、
よく動き、
好奇心も強い。

人は、
自然とそちらを見る。

それは、
悪いことではない。
新しい命には、
新しい光がある。

だが、
先にいた猫は、
全部わかっている。

空気の変化も、
視線の動きも、
呼ばれる回数も。

吾輩は思う。
交代とは、
入れ替わることではないと。

積み重ねは、
消えぬ。

長く一緒にいた時間、
隣で過ごした夜、
静かに寄り添った記憶。
それらは、
新しさでは置き換えられぬ。

猫は、
多くを語らぬ。
だが、
大事にされているかは、
ちゃんと感じている。

撫でる回数、
呼ぶ声、
目を合わせる時間。
小さな差が、
心に残る。

新しい猫を愛してよい。
だが、
前からいる猫も、
忘れないでほしい。

吾輩は猫である。
順番は気にせぬ。
だが、
大事にされる温度は知っている。
交代とは、
古い存在を消すことではなく、
新しい関係を増やすことなのだ。


新しき
影の向こうで
待つぬくみ


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gonta

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