吾輩は猫である(現代編)

吾輩は猫である ― 参議院選挙(SNS注意)編 ―

2025年7月12日

吾輩は猫である ― 参議院選挙(SNS注意)編 ―

吾輩は猫である。名はまだない。
だが今日も、飼い主のスマホから聞こえる言葉を聞き逃さない。

「この候補はダメ」「こっちはマシ」「どれも同じじゃん」
参議院選挙が近づき、タイムラインは炎のようにざわついている。

飼い主は寝転がってスマホをスクロールしながら、
ときおり眉をひそめ、たまに口角を上げ、
そして、誰かの投稿をシェアした。

その言葉、ほんとうに自分の声か?

猫は言葉を持たぬ。
だからこそ、言葉の重さをよく観察している。
一度つぶやけば戻らず、
スクリーンに刻まれた感情が、誰かを傷つけることもある。

「陰謀」「売国」「国を守れ」――
強い言葉には中毒性があり、
正しさと怒りが区別されぬまま、
“正義のリツイート”が加速する。

吾輩は思う。
投票所で書く一票より、
SNSで飛ばす140字のほうが、
軽くて、深く刺さることがある。

選ぶ前 吠える手前で 深呼吸

飼い主はふとスマホを置き、吾輩を見た。
「ごめん、ちょっと熱くなってたね」
――そう、それでいい。

冷静さと、静かな自分を取り戻す時間が、
今いちばん必要な“民意”かもしれぬ。

吾輩はそっとひざに乗った。
画面の熱より、体温のほうが落ち着く。


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gonta

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