【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

吾輩は猫である ―長男猫 編―

2026年6月21日

吾輩は猫である ―長男猫 編―

吾輩は猫である。
名前はまだない。

先にいた者には、
独特の空気がある。
慌てず、
騒がず、
だが、
妙に存在感がある。

人間はこれを、
長男猫と呼ぶ。

最初に家へ来て、
最初に場所を覚え、
最初に人間を観察した。

だから、
少しだけ詳しい。

新しい猫が来れば、
距離を測る。
近づきすぎず、
だが、
完全には無視しない。

吾輩は思う。
「先にいる」ということには、
責任が少し混ざると。

教えるわけではない。
だが、
背中を見せる。

ここは安全。
ここは危険。
その空気を、
自然と伝える。

人間は、
長男に期待する。
しっかりしろ、
譲れ、
我慢しろと。

だが、
猫はそこまで器用ではない。

眠い時は寝る。
嫌なら離れる。
それでも、
なぜか全体は回る。

不思議なものだ。

吾輩は猫である。
順番は選べぬ。
だが、
先に歩く重みは知っている。
長男猫とは、
特別に偉いのではなく、
少しだけ先に景色を知っている存在なのだ。


先に見た
景色を背中で
語りけり


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gonta

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