【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

吾輩は猫である ―長女猫 編―

2026年6月22日

吾輩は猫である ―長女猫 編―

吾輩は猫である。
名前はまだない。

静かだが、
場の空気を変える者がいる。
大きく動かず、
声も荒げぬ。
だが、
不思議と周囲が整う。

人間はこれを、
長女猫と呼ぶ。

先に場所を知り、
先に人間を観察し、
先に距離感を覚える。

だから、
少しだけ落ち着いている。

新しい猫が来れば、
すぐには近づかぬ。
まず見る。
様子を測り、
空気を読む。

その慎重さが、
全体を安定させる。

吾輩は思う。
長女とは、
強く押す存在ではないと。

むしろ、
崩れぬよう支える存在だ。

表には出ぬ。
だが、
いなくなると、
妙に空気が落ち着かなくなる。

人間は、
長女に「しっかり」を求める。
頼られ、
気を配り、
少し我慢も覚える。

だが、
猫は無理を続けぬ。
疲れれば離れ、
一匹の時間を作る。

それで、
また戻る。

吾輩は猫である。
順番は選べぬ。
だが、
静かに場を整える力は知っている。
長女猫とは、
前に出るより、
全体の温度を保つ存在なのだ。


静けさで
場のぬくもりを
保ちけり


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gonta

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