吾輩は猫である(現代編)

吾輩は猫である ―北海道40度 編 ―

2025年8月11日

吾輩は猫である ―北海道40度 編 ―

吾輩は猫である。名はまだない。
暑さにはめっぽう弱い。
だが、よりによって“北海道”で熱中症になりかけるとは、
誰が想像しただろうか。

「北海道が40度です」
テレビから流れたその言葉に、
飼い主は氷を落とした。
エアコンのない実家に帰省していた人々は、
急遽ホテルに避難する騒ぎだ。

北の大地 避暑地どころか 灼熱地

札幌の猫友からLINEが届いた。
「こっちは溶ける、畳が灼けてる、
もう“涼しい顔してラーメン”なんて無理ニャ」

本州から移住した猫たちが語る。
「涼しさにひかれて越してきたのに、これでは詐欺だ」と。

農家の猫は深刻だった。
「じゃがいもが焼ける。
インゲンが焦げる。
土の中がサウナだ」と。

飼い主が「地球温暖化って本当だったんだな…」とつぶやく。
いや、それは前から分かってたろう。
ただ、“うちには関係ない”と思ってたんだ。

吾輩は涼を求めて風呂場へ移動する。
タイルの冷たさが、今日の唯一の救い。
氷水を入れた洗面器を見つめながら、
こう思う。

「冷房が“贅沢品”だった時代の終焉ニャ」

地球の変化は、
空からでもなく、海からでもなく、
足裏からジリジリ伝わってくる。

北の大地が焼けるとき、
猫はただ、涼しい日の夢を見るしかないのか――。


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gonta

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