【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

吾輩は猫である ―4月1日 編―

2026年4月1日

吾輩は猫である ―4月1日 編―

吾輩は猫である。
名前はまだない。

朝の空気が、
少しだけ軽い。
同じ道、
同じ部屋、
だが、
人間の歩き方が違う。

人間はこれを、
四月一日と呼ぶ。

始まりの日らしい。

新しい名札、
新しい席、
新しい挨拶。
言葉の端に、
少しの緊張が混じる。

昨日の続きでありながら、
どこか別の一日。

吾輩は思う。
始まりとは、
完全な新しさではないと。

積み重ねの上に、
一枚だけ
新しい紙を重ねること。
それが、
始まりの正体だ。

人間は、
変わろうとする。
昨日よりも、
少し良く、
少し前へ。

だが、
すべてを変える必要はない。
変えぬものがあるから、
変わることができる。

桜は、
急に咲くわけではない。
見えぬところで、
準備をしていた。

今日という日は、
その結果に過ぎぬ。

吾輩は猫である。
新年度は持たぬ。
だが、
変化の匂いはわかる。
四月一日とは、
続きの中に
少しだけ意志を置く日なのだ。


新しき
顔の奥にも
昨日あり


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gonta

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