【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

吾輩は猫である ―初心 編―

2026年5月9日

吾輩は猫である ―初心 編―

吾輩は猫である。
名前はまだない。

最初の一歩は、
静かである。
派手でもなく、
確かでもない。

人間はそれを、
初心と呼ぶ。

何も知らぬ。
だからこそ、
よく見る。
よく触れ、
よく迷う。

無駄に見える動きが、
多い。
だが、
そのすべてが、
土台になる。

吾輩は思う。
慣れとは、
便利であり、
同時に危ういと。

速くなる。
迷わなくなる。
だが、
見なくなる。

初心の目は、
細部を拾う。
違和感を感じ、
小さな差に気づく。

それは、
後になっても
完全には戻らぬ。

だから、
忘れぬことが大事だ。

慣れた後に、
あえて遅くする。
あえて疑う。
あえて確かめる。

それが、
技を深くする。

吾輩は猫である。
常に初めてではない。
だが、
初めての感覚は持っている。
初心とは、
未熟さではなく、
精度の源なのだ。


慣れの中
一歩戻れば
道深し


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gonta

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