吾輩は猫である。
一度、届かなかったという。
人はそれを「不合格」と呼ぶ。
線を引かれ、区切られ、
こちら側とあちら側に分けられる。
だが吾輩から見れば、それは少し違う。
試験とは、結果である前に、過程である。
書いたこと、考えたこと、
そして問われたときに、どう答えたか。
それらが、形になったに過ぎぬ。
ゆえに、届かなかったという事実は、
否定ではない。
ただ、まだ一致していなかったというだけである。
問われているものと、
示したものが。
人は悔いる。
なぜあのとき、あの言葉が出なかったのかと。
だが、それもまた当然である。
言葉とは、積み重ねの上にしか現れぬ。
準備したものだけが、出る。
ならば、やるべきことは一つである。
もう一度、積む。
知識を、経験を、そして言葉を。
ただし、前と同じように積んではならぬ。
どこが噛み合わなかったのか。
何が伝わらなかったのか。
そこを見極める。
技術力だけでは足りぬ。
説明する力、まとめる力、
そして、相手に届く形に整える力。
それらすべてが問われている。
再起とは、やり直しではない。
組み直しである。
吾輩は猫である。
一度転んでも、同じ転び方はしない。
人よ。
落ちたことを恐れるな。
落ちたまま、考えぬことを恐れよ。
届かぬは
まだ組み上がる
途中なり