吾輩は猫である。
名前はまだない。
目には見えぬが、
確かにあるものがある。
触れられぬが、
日々を形づくるもの。
人間はそれを、
憲法と呼ぶ。
争わぬための約束、
守るべき線、
越えてはならぬ境。
普段は、
意識されぬ。
だが、
それがあるから、
多くは起きぬ。
猫の世界にも、
似たものはある。
見えぬ境界、
暗黙の距離、
無言の了解。
守られている間は、
存在を感じぬ。
崩れた時に、
初めて重さを知る。
吾輩は思う。
本当に大切なものほど、
静かに働くと。
強く主張せず、
目立たず、
だが確実に、
全体を支える。
人間は、
自由を語る。
だが、
自由とは、
何もないことではない。
守るべき枠があるから、
安心して動ける。
吾輩は猫である。
条文は読まぬ。
だが、
守るべき線は知っている。
憲法とは、
静かに社会を支える
見えぬ骨格なのだ。
見えぬ骨
守るほどにて
自由あり