【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

吾輩は猫である ―坂道 編―

2026年5月29日

吾輩は猫である ―坂道 編―

吾輩は猫である。
名前はまだない。

道が、
少しだけ傾いている。
平らなはずの場所が、
いつの間にか
上りになっている。

人間はこれを、
坂道と呼ぶ。

進むだけで、
少し重い。
同じ歩みでも、
息が変わる。

だが、
止まる理由にはならぬ。

吾輩は思う。
上りとは、
見えぬ負荷だと。

一歩ごとに、
確かに消耗する。
だが、
それは
確かに積み上がる。

振り返れば、
景色が変わる。
高さは、
後からわかる。

人間は、
楽な道を好む。
だが、
楽な道には、
変化が少ない。

坂は、
負担である。
だが、
意味もある。

上る途中は、
ただきつい。
だが、
越えた後に、
形になる。

吾輩は、
途中で止まる。
無理はせぬ。
だが、
戻りはしない。

それで、
十分だ。

吾輩は猫である。
坂を選ばぬ。
だが、
上る価値は知っている。
坂道とは、
進んだ分だけ
確かに変わる道なのだ。


上るほど
重さが意味に
変わりけり


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gonta

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