吾輩は猫である。
名前はまだない。
大きなものは、
静かに動く。
音は小さく、
波も穏やかに見える。
人間はそれを、
出光丸
と呼ぶ。
遠くの資源を運び、
目に見えぬ形で、
日常を支える。
速くはない。
だが、
止まらぬ。
吾輩は思う。
本当に重要なものほど、
目立たぬと。
小さな動きは、
すぐに気づかれる。
だが、
大きな流れは、
普段は意識されぬ。
止まった時に、
初めてわかる。
その重さを。
航路は決まっている。
だが、
海は常に変わる。
風、
波、
状況。
それでも、
進み続ける。
調整しながら、
逸れず、
焦らず。
それが、
大きなものの動き方である。
吾輩は猫である。
海は渡らぬ。
だが、
支える流れは知っている。
出光丸とは、
見えぬところで
世界を運び続ける存在なのだ。
静けさに
重き流れの
息づかい