【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

吾輩は猫である ―留守番 編―

2026年7月30日

吾輩は猫である ―留守番 編―

吾輩は猫である。
名前はまだない。

玄関の音がして、
いつもの気配が消える。

部屋は静かになる。

人間はこれを、
留守番と呼ぶ。

最初は、
少し歩き回る。

窓を見て、
お気に入りの場所へ行き、
また戻る。

そのうち、
静けさにも慣れる。

吾輩は思う。
待つことも、
信頼の一つだと。

いつ帰るかは、
わからぬ。

だが、
帰ってくることは知っている。

だから、
安心して眠れる。

人間は、
「寂しくない?」と聞く。

もちろん、
少しは寂しい。

だが、
一番嬉しいのは、
玄関の鍵が回る音だ。

「ただいま。」

その一言で、
部屋の空気が変わる。

猫は、
大げさには喜ばぬ。

少し近づき、
足元を歩き、
そっと体を寄せる。

それで十分。

吾輩は猫である。
留守番は得意だ。
だが、
帰る場所がある幸せは知っている。
留守番とは、
一人で過ごす時間ではなく、
「帰ってくる」と信じて待つ時間なのだ。

待つ時間
ただいま一つで
花が咲く


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gonta

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