吾輩は猫である。名はまだない。 このところ、飼い主がテレビの前でしきりに言っている。「チケット、当たった!」どうやら“大阪・関西万博”という催しに行くらしい。そこには“ミャクミャク”なる不思議な生き物がいるそうだ。 吾輩も写真で見た。赤と青がぐにゃりと混じり、目がいくつもついたその姿。初めは少し怖かったが、よく見ると、どこか懐かしい。――まるで人と猫と自然の命が一つに溶け合ったような、不思議な形をしている。 飼い主は言う。「人間の知恵と未来が集まる場所なんだ」なるほど、人は集まり、語り、築こうとする。だが ...