映画『Flow』レビュー|猫の視点で描かれる"生き抜く力"に、涙が止まらなかった

小sさな命が、押し寄せる水に抗いながら旅をする。
そんなストーリーが、たった一匹の猫を通して語られるアニメーション映画『Flow』。
静かで、言葉のない世界。けれど、だからこそ心の奥深くまで届く。
猫を飼っているからこそ感じたリアルな不安や愛おしさ。災害の記憶と重なる映像美に、胸が締めつけられるようでした。
この記事では、そんな『Flow』を観た個人的な感想とともに、この作品が持つ静かで力強いメッセージをお届けしたいと思います。
はじめに:『Flow』を観た理由と第一印象
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— 映画『Flow』公式 2025年3月14日公開 (@flow_movie0314) March 28, 2025
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2025年3月に公開されたアニメーション映画『Flow』。
ラトビアの若き天才アニメーション作家、ギンツ・ジルバロディス監督による最新作です。
「主人公が一匹の猫」——その一文に惹かれて、私はこの映画を観に行きました。本作は、映像と音楽のみで語られるサイレントな物語。セリフが一切ないからこそ、映像と感情が直結し、観る者に深い没入感を与えてくれます。
主人公は"猫"。だからこそ胸が締めつけられる

物語の中心となるのは、ある日突然洪水に襲われた都市で生き残った、一匹の猫。飼い主とは離れ離れになり、水に沈みゆく街を後にして、猫は旅に出ます。
私は、猫が出てくる作品を観る時、いつも少し覚悟がいります。猫が苦しい目に遭わないか、最後まで生きていてくれるか…。この映画もまさにそんな作品でした。
洪水という自然災害の中で、小さな猫が必死にボートに乗り、知らない世界を旅していく姿。猫の体の動き、表情、視線の揺らぎまでもがリアルで、気づけば自分の飼い猫を重ねながら観てしまっていました。
生き抜く姿に心打たれ、涙が流れっぱなし
物語が進むにつれて、猫はさまざまな動物たちと出会い、共に旅をしていきます。ときに助け合い、ときに別れを経験しながら、猫は少しずつ成長していくのです。
この成長の過程が本当に愛おしくて、気づけば涙が頬を伝っていました。言葉がないからこそ、動物たちの"まなざし"や"しぐさ"がすべてを語っていて、それが心にまっすぐ届いてきます。
生きることの厳しさと、出会いの奇跡。どれほど過酷な状況でも、生きようとする姿はこんなにも美しく、こんなにも尊いのだと、あらためて感じさせられました。
洪水シーンが与える圧倒的なインパクト
この映画でもう一つ、心に強く残ったのが"洪水"の描写です。
水がすべてを飲み込むシーンは、言葉にできないほどの迫力があり、観ているこちらの呼吸が苦しかったです。東日本大震災の記憶がよみがえります。仙台や福島に親族がいる身として、、、この映画の洪水シーンは、ただのファンタジーではなく、現実に起こりうるのですよね。
『Flow』が教えてくれたこと
『Flow』というタイトルの通り、すべてのものは「流れている」。
過去の痛みも、出会いの喜びも、そして命さえも、すべては流れの中にあるのだというメッセージを、この映画は静かに、しかし確かに伝えてきます。
一匹の猫の旅は、私たち人間の人生そのものにも重なります。どこへ向かうか分からなくても、生きることを諦めずに前へ進もうとする意志が、あらゆる存在にとっての光なのだと気づかせてくれました。
まとめ:猫好きにも、そうでない人にも届けたい1本
『Flow』は、猫好きならもちろん、動物が好きな人、災害や命について考えたい人にこそ観てほしい作品です。
セリフがないからこそ、自分自身の感情と深く向き合うことができ、気づけば涙が止まらなくなる——そんな映画でした。
鑑賞後、私は自分の猫を思わず抱きしめてしまいました。