【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

吾輩は猫である ―出会いと別れ編―

2026年5月20日

吾輩は猫である ―出会いと別れ編―

吾輩は猫である。
出会いには、たいてい理由がない。

ある日、そこにいた。
目が合った。
それだけのことで、関係は始まる。

人はそれを「縁」と呼ぶ。
だが吾輩にとっては、もっと静かなものである。
ただ、同じ時間を少し共有したに過ぎない。

それでも、人は意味を見出す。
出会うべくして出会ったのだと。
そう考えることで、日々は少しだけ整うのだろう。

ならば、それでよい。

出会いがあれば、別れもある。
これもまた、理由ははっきりしない。

いつの間にか距離ができることもあれば、
ある日突然、いなくなることもある。

人はそれを惜しむ。
もう少し何かできたのではないかと。

だが、関係というものは、
常に未完成のまま終わる。

すべてを言い尽くすことも、
すべてを理解し合うことも、
おそらく叶わぬ。

それでもなお、出会いは無駄ではない。

ほんのわずかな時間でも、
そこに何かが確かに存在したのであれば、
それは消えたのではなく、残っている。

形を変えて。

吾輩は猫である。
来ることもあれば、去ることもある。

だが、人よ。
出会ったことまで、消してはならぬ。

別れとは、終わりではない。
ただ、手を離すというだけのことだ。


出会いとは
離すと決めた
手の温度


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gonta

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