吾輩は猫である。
名前はまだない。
春の空気の中で、
人の流れが少し変わる。
声は大きすぎず、
だが確かに重なる。
人間はこれを、
メイデーと呼ぶ。
働く者が、
集まり、
声を持つ日らしい。
普段は、
それぞれの場所で、
それぞれの役割を担う。
だがこの日は、
同じ側に立つ。
吾輩は思う。
働くとは、
単に動くことではないと。
続けること、
支えること、
見えぬところで
形を保つこと。
猫もまた、
役割を持つ。
見張り、
休み、
必要な時だけ動く。
無理をすれば、
続かぬ。
続かなければ、
支えられぬ。
人間は、
声を上げる。
環境を整え、
よりよく働くために。
それは、
不満ではなく、
持続のための調整だ。
吾輩は猫である。
働きすぎぬ。
だが、
続けるための加減は知っている。
メイデーとは、
働くことを
長く保つための日なのだ。
見る目より
自分を見る目
忘れぬな