【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

吾輩は猫である ―新生活 編―

2026年4月16日

吾輩は猫である ―新生活 編―

吾輩は猫である。
名前はまだない。

部屋の匂いが、
少し違う。
見慣れたはずの物も、
置き場所が変わるだけで、
別の顔になる。

人間はこれを、
新生活と呼ぶ。

箱が積まれ、
紙が散り、
何かが始まる音がする。
だが、
まだ整ってはいない。

不安と期待が、
同じ場所に置かれている。

吾輩は、
ゆっくりと歩く。
急がぬ。
新しい場所ほど、
慎重に確かめる。

安全な道、
落ち着く角、
日の当たる場所。
それらを見つけてから、
やっと座る。

人間は、
すぐに慣れようとする。
だが、
慣れとは、
急ぐものではない。

時間とともに、
少しずつ染み込むものだ。

新しさは、
刺激であると同時に、
負荷でもある。
だから、
余白が必要だ。

何も置かない場所、
何もしない時間。
それが、
次を支える。

やがて、
箱は減り、
物は収まり、
部屋は日常へ変わる。

吾輩は猫である。
環境は変わっても、
本質は変わらぬ。
新生活とは、
変わる中で
変わらぬものを見つけることなのだ。


新しき
部屋に残るは
我がままなり


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gonta

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