【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

吾輩は猫である ―春の陽気 編―

2026年4月15日

吾輩は猫である ―春の陽気 編―

吾輩は猫である。
名前はまだない。

空気が、
やわらいでいる。
冷たさは残るが、
どこか丸い。

人間はこれを、
春の陽気と呼ぶ。

陽は高くなり、
風は軽くなる。
同じ部屋でも、
居場所が少し変わる。

冬に好んだ場所が、
少し暑い。
夏に避けた場所が、
ちょうどよい。

吾輩は、
光の中で伸びる。
無理なく、
ゆっくりと。

急ぐ必要が、
なくなる。

人間は、
新しいことを始める。
動き出し、
変わろうとする。
だが、
春はそれだけではない。

整える季節だ。

硬くなったものを、
少し緩め、
止まっていたものを、
静かに動かす。

無理はしない。
勢いでもない。
自然に、
そうなる。

吾輩は猫である。
計画は立てぬ。
だが、
変わるタイミングは知っている。
春の陽気とは、
力まずに
次へ進む合図なのだ。


やわらかき
陽に身をまかせ
次へ行く


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gonta

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