吾輩は猫である。
名前はまだない。
年に一度だけ、
会えるという。
人間はこれを、
七夕と呼ぶ。
会えない時間が、
長い。
だからこそ、
会える日を待つ。
だが、
吾輩は少し考える。
本当に仲が悪ければ、
一年も待たぬ。
本当に興味がなければ、
会う日を数えたりもしない。
待ち続けるということは、
それだけで、
心がつながっている証なのかもしれぬ。
吾輩は思う。
仲が良いとは、
いつも一緒にいることではないと。
離れていても、
信じられる。
会えなくても、
想い続けられる。
それもまた、
絆である。
猫は、
適度な距離を好む。
ずっと隣にいなくても、
安心できる相手がいる。
近すぎず、
遠すぎず。
その距離が、
長く続く関係をつくる。
一年に一度では、
少し寂しい。
だが、
その一日を、
誰よりも大切に思えるなら、
それも幸せなのだろう。
吾輩は猫である。
星は渡れぬ。
だが、
会えない時間が、
会える喜びを育てることは知っている。
七夕とは、
距離ではなく、
想いの深さを確かめる日なのだ。
離れても
想う心は
天の川