【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

吾輩は猫である ―XとY 編―

2026年9月10日

吾輩は猫である ―XとY 編―

吾輩は猫である。
名前はまだない。

人間の体には、
ずいぶん小さなところに、
大きな違いを生む仕組みがあるらしい。

X。

そして、
Y。

人間はこれを、
性染色体と呼ぶ。

たった一文字違うだけで、
男になったり、
女になったりする。

もちろん、
現実はそれほど単純でもない。

遺伝子。

ホルモン。

成長。

そして、
一人一人の違い。

生き物とは、
教科書ほどきれいには分かれぬものらしい。

吾輩は思う。

人間は、
何かにつけて二つに分けたがる。

男か女か。

強いか弱いか。

理系か文系か。

犬派か猫派か。

最後だけは、
答えが明らかな気もするが、
そこは黙っておこう。

XとYも、
違いを示す記号ではある。

だが、
違うからといって、
優劣があるわけではない。

猫にも、
雄と雌がいる。

体つきが違うこともある。

性格にも、
それぞれ傾向はあるかもしれぬ。

だが、
甘える雄もいれば、
堂々たる雌もいる。

結局、
一匹ずつ違うのである。

人間も、
きっと同じだ。

記号は、
生き物を理解するためにある。

生き物を、
記号の中へ閉じ込めるためではない。

Xだからこう。

Yだからこう。

そう決めてしまえば、
分かりやすくはなる。

だが、
分かりやすさと、
正しさは同じではない。

吾輩は猫である。
染色体は見えぬ。

だが、
目の前の相手がどんな者かは、
しばらく一緒にいれば分かってくる。

XとYとは、
人間を二種類に分けるための札ではない。

命が始まる仕組みの一部であり、
その先には、
記号では書き切れない一人一人の物語があるのだ。


XもYも
最後はひとつ
その個性

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gonta

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