【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

吾輩は猫である ―洗車後 編―

2026年5月4日

吾輩は猫である ―洗車後 編―

吾輩は猫である。
名前はまだない。

車が、
やけに静かに光っている。
水は拭き取られ、
曇りは消え、
表面は整っている。

人間はこれを、
洗車と呼ぶ。

汚れを落とし、
本来の姿に戻す。
それは、
単なる掃除ではない。
状態を整える行為である。

だが、
整った直後ほど、
油断が生まれる。

もう大丈夫だと、
思ってしまう。

吾輩は、
そっと近づく。
表面は滑らかで、
空を映している。

そこに、
一歩。

跡が残る。

人間は気づく。
ため息とともに、
少し笑う。

完全は、
続かぬ。

整えることと、
保つことは、
別の技である。

洗った後も、
気にかける。
置き方、
触れ方、
環境。

それが、
本当の維持である。

吾輩は猫である。
足跡を残す。
だが、
悪気はない。
整ったものほど、
日常に戻る過程があると知っている。


磨いた後
守る手間こそ
本番なり


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gonta

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