吾輩は猫である。
名前はまだない。
箱が、
静かに置かれている。
中身は見えぬ。
だが、
そこには意味がある。
人間はこれを、
ギフトと呼ぶ。
渡すという行為に、
言葉以上のものを込める。
形は小さくとも、
想いは軽くない。
吾輩は思う。
贈り物とは、
物ではないと。
選ぶ時間、
考える過程、
相手を思う間。
それらすべてが、
中に入っている。
高価である必要はない。
だが、
無関心では成立せぬ。
人間は、
受け取る瞬間を見る。
だが、
本当の価値は、
渡すまでの間にある。
猫は、
時に何かを持ってくる。
葉、
糸、
小さなもの。
意味は不明でも、
そこには意図がある。
それで、
十分だ。
吾輩は猫である。
包みはしない。
だが、
渡す心は知っている。
ギフトとは、
相手の中に
自分の時間を置くことなのだ。
物よりも
想う時間が
贈りもの