【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

吾輩は猫である ―押し売り 編―

2026年6月28日

吾輩は猫である ―押し売り 編―

吾輩は猫である。
名前はまだない。

必要としていない時ほど、
勢いよく近づいてくる者がいる。

人間はこれを、
押し売りと呼ぶ。

勧める。
語る。
褒める。
そして、
断る隙を減らしていく。

だが、
本当に良いものは、
無理に押さずとも残る。

吾輩は思う。
距離感を失った瞬間、
信頼は減ると。

相手の様子を見ず、
自分の都合だけで近づけば、
言葉は重くなる。

猫は、
嫌な時には離れる。
しつこければ、
もっと離れる。

それだけである。

人間は、
「熱意」と「圧」を
混同することがある。

熱意とは、
相手を思うこと。
圧とは、
自分を通すこと。

似ているようで、
まるで違う。

必要な時に、
必要な分だけ。
それが、
長く続く関係になる。

吾輩は猫である。
薦めはせぬ。
だが、
近づき方の加減は知っている。
押し売りとは、
良さを伝える前に、
距離を壊してしまう行為なのだ。


押すほどに
心はそっと
離れゆく


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gonta

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