吾輩は猫である。名前はまだない。 静かな盤の上で、すべてが決まる。音はほとんどない。だが、内側は激しい。 人間はこれを、棋士と呼ぶ。 一手に、時間をかける。読み、迷い、選び、置く。 それだけで、世界が変わる。 吾輩は思う。棋士とは、孤独な職であると。 誰にも代われぬ。誰も助けぬ。最後は、自分で決める。 盤の外では、多くを語らぬ。だが、盤の上では、すべてが現れる。 性格も、癖も、弱さも。 隠せぬ。 勝てば、称えられる。負ければ、静かに引く。 だが、どちらでも、次の一局は来る。 続けること。それ自体が、生き方 ...