吾輩は猫である。名前はまだない。 言葉は、積み重ねるほどに、重くなる。軽くは書けぬ。だが、重すぎても届かぬ。 人間はそれを、文豪と呼ぶ。 多くを書いた者か。深く書いた者か。あるいは、残った者か。 定義は一つではない。 吾輩は思う。文豪とは、時を越える言葉を持つ者だと。 その時だけの言葉は、やがて消える。だが、何度でも読まれるものは、形を変えて残る。 流行に乗らず、流れを見て、その奥をすくう。 それが、深さである。 書く者は、孤独である。だが、読む者が現れた時、時間を越えてつながる。 直接ではない。だが、確 ...