吾輩は猫である。名は信虎。家の長であり、群れのまとめ役だ。ある日、縁側で昼寝をしていると、庭からドタドタと足音が近づいてきた。 先に顔を出したのは葵。淡い毛色とおっとりした性格の雌猫で、花の香りをまとってやって来る。「信虎兄さま、今日は探検に行きませんか?」その後ろから、茶色の縞模様の獅子丸が飛び出す。好奇心の塊で、じっとしていられぬ若猫だ。 「探検といえば、あの廃屋か?」と吾輩。すると、最後に姿を現したのは沙羅。長毛の美しい雌猫で、群れの中では一番の冷静派だ。「廃屋なら気をつけたほうがいいわ。この前、カ ...