吾輩は猫である。名はまだない。 港の風は、いつも少し先の話を運んでくる。今日はその風に、「万博」という言葉が混じっていた。どうやら人間たちは、未来を集める大きな催しを応援しているらしい。 横浜の街は、新しいものに慣れている。異国の匂いも、見慣れぬ建物も、いつの間にか景色の一部にしてきた。だから万博も、騒ぎ立てるというより、静かに背中を押す感じだ。 飼い主は言った。「横浜は、つなぐ役だよね。」海と陸、昔と今、人と人。猫から見ても、ここは交差点のような街である。 吾輩は思う。万博とは、派手な未来を見せる場では ...