吾輩は猫である。名前はまだない。 もし、透明人間になれたら。 人間は、何をするのだろう。 誰にも見つからず、どこへでも行ける。 秘密も、本音も、簡単に知ることができる。 便利そうだ。 だが、吾輩は思う。 本当に怖いのは、透明になることではない。 誰にも、気づいてもらえなくなることだ。 人は、誰かに見てもらいたい。 頑張ったことも、悲しかったことも、小さな成長も。 「見ているよ。」 その一言で、また歩き出せる。 猫も同じである。 名前を呼ばれ、頭を撫でられ、目が合う。 それだけで、ここにいてよいのだと分かる ...