吾輩は猫である。名前はまだない。 道が広くなるほど、速さも増す。流れは止まらず、判断の時間は短くなる。 人間はこれを、高速道路、あるいはバイパスと呼ぶ。 便利である。遠くまで、早く届く。 だが、速さは、危うさも連れてくる。 合流、車線変更、急な割り込み。一瞬の迷いが、大きな差になる。 吾輩は思う。危険とは、特別な時だけ現れるものではないと。 「慣れた頃」が、最も危うい。 少しの油断、確認不足、急ぎたい気持ち。それらが重なると、視野は狭くなる。 人間は、目的地ばかりを見る。だが、大切なのは、無事に着くことで ...