吾輩は猫である。名はまだない。だがこのところ、ヒーローものの映画ばかり見せられている。 特に飼い主が好きなのは、スーパーマン。「やっぱ正統派って感じで、いいよね〜」空を飛び、ビルを持ち上げ、正義を貫く男。 だが、ふと気づいた。――彼は、地球生まれではない。 故郷を失い、宇宙から飛来し、地球に預けられた小さな命。彼は“地球人のふり”をして暮らしている。 ふむ。それって、猫にとっての“人間社会”と、どこか似ているではないか。 居場所なく 居場所となりぬ 他所の地で 我々猫も、本来は野を歩く存在。だが今は、家具 ...