吾輩は猫である。名前はまだない。 目の前に、高い壁がある。 越えようとしても、届かぬ。 人間はこれを、世界の壁と呼ぶ。 国内では、通用した。努力も、技術も、自信もあった。 だが、世界は、その少し先にいる。 速さも、強さも、精度も。 ほんの少しの差が、決定的な差になる。 吾輩は思う。世界の壁とは、才能の壁ではないと。 積み重ねの壁である。 一日では埋まらぬ。一か月でも難しい。 だが、一歩ずつ近づくことはできる。 人間は、敗北を恐れる。だが、世界を知ることなく、強くはなれぬ。 負けることで、足りないものが見え ...