【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

吾輩は猫である ―猫友 編―

2026年8月28日

吾輩は猫である ―猫友 編―

吾輩は猫である。
名前はまだない。

猫を好きな者同士は、
不思議と話が早い。

初対面でも、
写真を一枚見せれば、
会話が始まる。

「何歳ですか。」

「何匹いますか。」

「この子、よく食べますか。」

人間はこれを、
猫友と呼ぶ。

吾輩は思う。

友とは、
同じ趣味を持つ者だけではない。

同じものを、
大切に思える者なのだと。

猫の話をする。

病院の話をする。

餌の話をする。

時には、
看取りの話まで出る。

可愛いだけではない。

困ったことも、
心配なことも、
一緒に話せる。

だから、
少し安心する。

人間は、
自分の猫を褒められると、
妙に嬉しそうである。

「かわいいですね。」

その一言だけで、
まるで自分まで褒められたような顔をする。

吾輩には、
少し面白い。

だが、
分からなくもない。

大切な存在を、
誰かも大切に見てくれる。

それは、
嬉しいものなのだろう。

猫友には、
猫同士が会ったことのない場合もある。

それでも、
写真の中では、
ずいぶん顔なじみになる。

「最近どう?」

と聞かれると、
人間は吾輩の近況まで報告する。

どうやら吾輩は、
知らぬところで
交友関係を広げているらしい。

吾輩は猫である。
友達を増やすつもりはない。

だが、
吾輩をきっかけに、
人間同士の縁が増えるのなら、
それも悪くない。

猫友とは、
猫を通じて知り合った人ではない。

猫を大切にする気持ちを、
安心して分かち合える相手なのだ。


猫一匹
人の縁まで
つないでる

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gonta

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