吾輩は猫である。
名前はまだない。
世の中には、
猫の王国もあれば、
犬の王国もあるらしい。
ならば、
ネズミの王国も、
きっとあるのだろう。
吾輩は思う。
猫から見れば、
ネズミは小さな存在。
だが、
ネズミから見れば、
吾輩こそ巨大な存在である。
立場が変われば、
世界も変わる。
人間も同じだ。
自分の物差しだけで、
世の中を見てしまう。
だが、
誰にでも、
その人なりの世界がある。
王様にも、
町のパン屋にも。
大人にも、
子どもにも。
猫にも、
ネズミにも。
互いの世界を知らぬままでは、
分かり合えないことも多い。
だからこそ、
時には相手の目線で、
景色を眺めてみる。
すると、
昨日まで当たり前だったことが、
少し違って見えてくる。
吾輩は猫である。
猫の世界しか知らぬが、
ネズミにも、
ネズミの暮らしがあるのだろう。
世界とは、
一つではなく、
数え切れないほどの「王国」が集まってできているのだ。
違う目で
見れば広がる
別世界