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【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

2026/7/27

吾輩は猫である ―チケット当選 編―

吾輩は猫である。名前はまだない。 人間は、一通の知らせで、天にも昇る気持ちになることがある。 「ご当選おめでとうございます。」 その文字を見ただけで、顔がほころぶ。 吾輩は思う。 当たったのは、一枚のチケット。 だが、人間が本当に手に入れたのは、その先に待つ時間なのだ。 会いたかった人。 見たかった景色。 胸を躍らせる一日。 チケットは、紙でも、画面の中の数字でもない。 未来への約束なのである。 猫には、抽選はない。 お気に入りの窓辺も、昼寝の場所も、早い者勝ちだ。 だからこそ、人間が小さく飛び跳ねて喜ぶ ...

【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

2026/7/27

吾輩は猫である ―天空のプール 編―

吾輩は猫である。名前はまだない。 空と水が、つながって見える。 人間はこれを、天空のプールと呼ぶ。 水面は静かだ。 風が吹けば揺れ、風が止めば、また鏡のようになる。 まるで、心のようである。 吾輩は思う。 人間は、高い場所へ行くと、景色を眺める。 昨日まで大きく見えた悩みも、少し遠くに見えるからだろう。 見える景色が変われば、考え方も変わる。 だから旅は、人を成長させるのかもしれぬ。 猫は、高い所が好きだ。 棚の上。塀の上。窓辺。 そこから静かに、世界を眺める。 急いでも、景色は逃げない。 ゆっくり眺めれ ...

【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

2026/7/20

吾輩は猫である ―留守番 編―

吾輩は猫である。名前はまだない。 玄関の音がして、いつもの気配が消える。 部屋は静かになる。 人間はこれを、留守番と呼ぶ。 最初は、少し歩き回る。 窓を見て、お気に入りの場所へ行き、また戻る。 そのうち、静けさにも慣れる。 吾輩は思う。待つことも、信頼の一つだと。 いつ帰るかは、わからぬ。 だが、帰ってくることは知っている。 だから、安心して眠れる。 人間は、「寂しくない?」と聞く。 もちろん、少しは寂しい。 だが、一番嬉しいのは、玄関の鍵が回る音だ。 「ただいま。」 その一言で、部屋の空気が変わる。 猫 ...

【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

2026/7/20

吾輩は猫である ―ご褒美 編―

吾輩は猫である。名前はまだない。 人間は、頑張ったあとに、ご褒美を用意する。 美味しいものを食べたり、欲しかった物を買ったり、少し贅沢な時間を過ごしたり。 それもまた、生きる楽しみなのだろう。 吾輩にも、ご褒美はある。 お気に入りのおやつ。 窓辺で浴びる、午後の日差し。 主人に、そっと頭を撫でられること。 どれも、値段では測れない。 吾輩は思う。 本当のご褒美とは、何かを手に入れることだけではない。 今日も、最後までやり切った。 誰かの役に立てた。 昨日より、少しだけ成長できた。 そう思えた時、心は静かに ...

【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

2026/7/20

吾輩は猫である ―ネズミ王国 編―

吾輩は猫である。名前はまだない。 世の中には、猫の王国もあれば、犬の王国もあるらしい。 ならば、ネズミの王国も、きっとあるのだろう。 吾輩は思う。 猫から見れば、ネズミは小さな存在。 だが、ネズミから見れば、吾輩こそ巨大な存在である。 立場が変われば、世界も変わる。 人間も同じだ。 自分の物差しだけで、世の中を見てしまう。 だが、誰にでも、その人なりの世界がある。 王様にも、町のパン屋にも。 大人にも、子どもにも。 猫にも、ネズミにも。 互いの世界を知らぬままでは、分かり合えないことも多い。 だからこそ、 ...

【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

2026/7/20

吾輩は猫である ―猫技術士筆記試験 再チャレンジ 編―

吾輩は猫である。名前はまだない。 一度、届いた。 だが、その先で立ち止まった。 人間はこれを、再チャレンジと呼ぶ。 悔しさは、簡単には消えぬ。 「あそこを、もう少し。」 「こう答えれば、違ったのではないか。」 そんな思いが、何度も頭をよぎる。 吾輩は思う。挑戦とは、合格した者だけのものではないと。 転んでも、また立ち上がる。 その姿もまた、挑戦である。 参考書を開く。過去問を解く。答案を書き直す。 昨日より、一行でも良くする。 その積み重ねは、決して裏切らぬ。 人間は、結果だけを見る。 だが、努力は、結果 ...

【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

2026/7/16

吾輩は猫である ―猫踊り 編―

吾輩は猫である。名前はまだない。 音が鳴る。 気づけば、体が少し動く。 人間はこれを、踊りと呼ぶ。 上手い者もいる。リズムに乗る者もいる。少しずれる者もいる。 だが、笑っている者が、一番楽しそうだ。 吾輩は思う。踊りとは、技術を競うものではないと。 心が動いた時、体も自然に動く。 それだけで、十分なのである。 猫は、嬉しい時、尻尾が立つ。 楽しい時、駆け回る。 眠る前には、突然走り出す。 人間には理解できぬらしいが、あれも猫なりの踊りなのかもしれぬ。 誰かに見せるためではない。 今という時間を、楽しむため ...

【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

2026/7/16

吾輩は猫である ―盆踊り 編―

吾輩は猫である。名前はまだない。 提灯が灯る。 太鼓が鳴り、人が輪になる。 人間はこれを、盆踊りと呼ぶ。 上手い者もいれば、少し間違える者もいる。 それでも、誰も気にしない。 同じ輪の中で、同じリズムに合わせる。 それが、大切らしい。 吾輩は思う。盆踊りとは、競うための踊りではないと。 揃えることより、集まること。 見せることより、一緒に楽しむこと。 輪の中では、子どもも、大人も、久しぶりに帰ってきた人も、みな同じ。 故郷を離れた者も、この日だけは戻ってくる。 踊りは、昔から変わらぬ。 だからこそ、人は安 ...

【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

2026/7/16

吾輩は猫である ―海の日 編―

吾輩は猫である。名前はまだない。 波は、何度も寄せては返す。 急ぐこともなく、止まることもない。 人間はこれを、海の日と呼ぶ。 海へ出かけ、潮風を浴び、夏の始まりを感じる日。 だが、海は遊ぶ場所である前に、生きる場所でもある。 魚を育み、船を運び、遠い国とつながる。 そして時には、大きな力で、人間に試練を与えることもある。 吾輩は思う。海とは、優しさと厳しさを同時に持つ存在だと。 穏やかな日もあれば、荒れる日もある。 だからこそ、敬意を忘れてはならぬ。 人間は、海から多くの恵みを受けてきた。 食べ物も、物 ...

【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

2026/7/16

吾輩は猫である ―四季報 編―

吾輩は猫である。名前はまだない。 分厚い本を、人間は真剣な顔でめくる。 数字、会社名、業績、配当。 人間はこれを、四季報と呼ぶ。 未来を知りたい。 その思いで、一ページずつ読み進める。 吾輩は思う。投資とは、未来を当てることではないと。 未来を考え続けることだ。 良い会社にも、苦しい時期がある。 目立たぬ会社が、大きく育つこともある。 一冊の本に、答えは載っていない。 だが、考える材料は、たくさん載っている。 人間は、株価ばかりを見る。 だが、会社を見る者は、決算も、事業も、経営者も見る。 木ではなく、森 ...