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【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

2026/8/23

吾輩は猫である ―ローカルLLM 編―

吾輩は猫である。名前はまだない。 最近、人間はAIを、遠くの大きな計算機だけでなく、自分のパソコンの中でも動かそうとしている。 人間はこれを、ローカルLLMと呼ぶ。 なるほど。 AIまで、家猫になったらしい。 クラウドへ行かず、手元で考える。 文章を読み、要約し、質問にも答える。 しかも、外へ出さずに済む情報もある。 吾輩は思う。 これは、なかなか猫向きである。 猫は、自分の縄張りを好む。 知らぬ場所へ、何でも持ち出したりはしない。 大切なものは、できれば家の中で扱う。 ローカルLLMも、少し似ている。 ...

【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

2026/8/23

吾輩は猫である ―GPU vs NPU なんじゃ?編―

吾輩は猫である。名前はまだない。 最近、人間のコンピュータには、いろいろな頭脳が入っているらしい。 CPU。 GPU。 そして、NPU。 アルファベットばかりである。 吾輩は思う。 なんじゃ? まず、GPUという者。 もともとは、画面に絵を描く仕事が得意だった。 だが、同じような計算を大量にこなすのも得意だったため、いつの間にかAIまで働かされるようになった。 猫で言えば、一斉に百個の猫じゃらしを追えるような者である。 なかなか忙しい。 一方、NPUという者。 こちらは最初から、AIの計算を効率よくこなす ...

【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

2026/8/23

吾輩は猫である ―若手 編―

吾輩は猫である。名前はまだない。 若い者は、よく動く。 覚えることも多く、失敗することも多い。 人間はこれを、若手と呼ぶ。 任せれば、少し心配。 任せなければ、いつまでも育たない。 人間の世界は、なかなか難しい。 吾輩は思う。 若手に必要なのは、正解を全部教えることではない。 考える余地を残すことだ。 やってみる。 迷う。 相談する。 直す。 その繰り返しで、少しずつ自分の型ができていく。 猫も、子猫の頃は失敗する。 跳び損ねる。 距離を読み違える。 怒られて、少し学ぶ。 だが、何度も試すうちに、いつの間 ...

【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

2026/8/23

吾輩は猫である ―猫友 編―

吾輩は猫である。名前はまだない。 猫を好きな者同士は、不思議と話が早い。 初対面でも、写真を一枚見せれば、会話が始まる。 「何歳ですか。」 「何匹いますか。」 「この子、よく食べますか。」 人間はこれを、猫友と呼ぶ。 吾輩は思う。 友とは、同じ趣味を持つ者だけではない。 同じものを、大切に思える者なのだと。 猫の話をする。 病院の話をする。 餌の話をする。 時には、看取りの話まで出る。 可愛いだけではない。 困ったことも、心配なことも、一緒に話せる。 だから、少し安心する。 人間は、自分の猫を褒められると ...

【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

2026/8/23

吾輩は猫である ―猫探偵 編―

吾輩は猫である。名前はまだない。 何かが、なくなった。 人間は慌てる。 鍵がない。 書類がない。 昨日ここに置いたはずの物が、見当たらない。 人間はこれを、事件と呼ぶ。 吾輩は思う。 事件とは、大げさなものばかりではないと。 少しの違和感。 いつもと違う匂い。 動かした覚えのない物。 誰かの足音。 そこに、手がかりはある。 猫は、よく見る。 音を聞き、匂いを嗅ぎ、少し離れて様子をうかがう。 すぐには飛びつかぬ。 思い込みほど、捜査を曇らせるものはない。 人間は、「きっとここだ」と決めつける。 だが、本当に ...

【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

2026/8/23

吾輩は猫である ―日々研鑽 編(資格の更新必要にゃ?)―

吾輩は猫である。名前はまだない。 人間は、試験に合格すると喜ぶ。 証書を眺め、資格名を名刺に書き、少しだけ胸を張る。 そして、しばらくすると言う。 「これ、更新って必要なの?」 吾輩は思う。 ずいぶん現実的な質問である。 資格には、更新が必要なものもあれば、一度取ればそのままのものもある。 だが、知識まで永久保証される資格は、たぶんない。 技術は変わる。 法律も変わる。 社会も変わる。 昨日の常識が、明日には古くなることもある。 ならば、資格証だけ残っていても、中身が昔のままでは少し寂しい。 人間はこれを ...

【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

2026/8/11

吾輩は猫である ―猫インプラント 編―

吾輩は猫である。名前はまだない。 人間は、歯を失っても、また噛めるようにしようとする。 なかなか諦めが悪い。 人間はこれを、インプラントと呼ぶ。 歯がなくなった場所に、新しい土台をつくり、その上に歯を置く。 なるほど。 失ったものを、別の方法で補うらしい。 吾輩は思う。 技術とは、元に戻すことではない。 失った後でも、暮らしを続けられるようにすることだ。 噛む。 食べる。 笑う。 毎日当たり前にしていることほど、できなくなった時に、その大切さが分かる。 だが、入れたら終わりではない。 人間は、そこを忘れが ...

【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

2026/8/11

吾輩は猫である ―不動産セミナー 編―

吾輩は猫である。名前はまだない。 休日になると、人間は集まる。 駅前の会議室。 ホテルの一室。 そこには、「未来」という文字が並んでいる。 人間はこれを、不動産セミナーと呼ぶ。 家賃収入。 節税。 資産形成。 夢のような言葉が、次々と並ぶ。 吾輩は思う。 良い話ほど、静かに聞くべきだと。 「必ず儲かる。」 「今だけです。」 「皆さん始めています。」 そんな言葉ほど、一歩引いて眺める。 猫は、知らない餌には飛びつかぬ。 匂いを嗅ぎ、様子を見て、安全を確かめる。 それから、ようやく口をつける。 人間は、利益ば ...

【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

2026/8/11

吾輩は猫である ―お腹すいたアピール 編―

吾輩は猫である。名前はまだない。 夕方になると、人間の前を横切る。 一度ではない。 二度。三度。 そして、皿の前に座る。 人間はこれを、お腹すいたアピールと呼ぶ。 吾輩は思う。 言葉がなくても、伝える方法はいくらでもあると。 皿を見る。 人間を見る。 もう一度、皿を見る。 これだけで、だいたい通じる。 それでも足りなければ、少し鳴く。 さらに足りなければ、足元を歩く。 最後は、静かに圧をかける。 猫は、説明しすぎぬ。 だが、必要なことは伝える。 人間は、時に遠慮する。 頼みたいのに、頼まない。 困っている ...

【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

2026/8/11

吾輩は猫である ―自動パーキング 編―

吾輩は猫である。名前はまだない。 車が、勝手に動き始める。 ハンドルが回り、ブレーキが入り、するすると枠の中へ収まっていく。 人間はこれを、自動パーキングと呼ぶ。 なるほど。 便利である。 狭い駐車場。 見えにくい白線。 何度も切り返したくなる場所。 そんな時でも、機械は淡々と判断する。 吾輩は思う。 人間は、つい手を離したくなるのだろうと。 「車がやってくれる。」 「センサーが見ている。」 「きっと大丈夫。」 だが、駐車場には、予定通りに動かぬものもいる。 子供。 自転車。 買い物カート。 そして、吾輩 ...