吾輩は猫である。名前はまだない。 雪の匂いは、すべてを隠す。足跡も、音も、昨日の気配さえ。 人間はこの物語を、ゴールデンカムイと呼ぶ。 金塊を巡り、人が走り、戦い、奪い合う。 極寒の地で、生きることは、それだけで試練だ。 吾輩は思う。猫がそこにいたなら、どうするかと。 まず、無駄に走らぬ。体力は、最も貴重な資源だ。 次に、暖を確保する。風を避け、雪を読み、最小の動きで最大の安定を得る。 獲物は、追わぬ。待つ。来る場所を知り、確実に仕留める。 戦うことは、最後の手段だ。生き延びることが、第一である。 人は、 ...