吾輩は猫である。名前はまだない。 先でもなく、最後でもない。その位置には、独特の身軽さがある。 人間はこれを、次男猫と呼ぶ。 上を見て育ち、下ができれば、立場も変わる。 自由そうに見える。だが、案外よく周りを見ている。 長男猫ほど、背負わぬ。末っ子ほど、守られぬ。 だから、自然と空気を読む。 吾輩は思う。真ん中とは、調整役になりやすいと。 前に出る時もあれば、引く時もある。甘えることも、譲ることも覚える。 その分、柔らかい。 人間は、次男を「自由」と言う。確かに、少し器用だ。 だが、器用とは、周囲に合わせ ...