吾輩は猫である。名前はまだない。 高い場所に、一匹が立つ。風を受け、視線は遠くへ向く。 人間はそれを、ライオン・キングと重ねる。 王とは、強い者ではない。すべてを見渡す者だ。 吠えるだけでは、治まらぬ。奪うだけでは、続かぬ。 守るべきものを知り、過ぎた力を抑える。それが、王の役目である。 吾輩は思う。頂に立つとは、楽なことではないと。 誰よりも早く気づき、誰よりも遅く休む。判断は一つでも、影響は広い。 誤れば、自分だけでは済まぬ。だからこそ、軽々しくは決められぬ。 猫は、王を名乗らぬ。だが、高い場所を選ぶ ...