吾輩は猫である。名はまだない。 人間の世界では、「力」がものを言う場面が多い。声の大きさ、数の多さ、金の重さ、肩書の硬さ。 それらが揃うと、正しさより先に、従わせる空気が生まれる。 吾輩はそれを、高い棚の上からよく見ている。 力で押さえつけると、一時は静かになる。だが、本当に静かなのは、納得ではなく、諦めだ。 猫の世界でも、力は存在する。大きな体、鋭い牙。だがそれだけでは、群れは保てない。 無駄に威嚇する猫は、やがて孤立する。力を持ちながら、使わぬ猫が、一番長く場所を守る。 飼い主がニュースを見て、ため息 ...