吾輩は猫である。名前はまだない。 草の匂いがする場所で、妙に落ち着いた者と、妙に勢いのある者に出会った。 人間は、前者をアルパカ、後者を山羊と呼ぶ。 アルパカは、風に逆らわぬ。目は半分閉じ、急ぐ理由を持たぬ顔で立っている。 山羊は、急に跳ぶ。低い柵など無意味にし、時に、思考まで飛び越える。 色々、飛ばしてくる。 草も、石も、ときには話題も。脈絡を越え、突然、別の丘に立っている。 吾輩は思う。飛ぶ者は強く見えるが、残る者もまた強い。 アルパカは、動かぬことで均衡を保つ。山羊は、動くことで均衡を探す。 どちら ...