吾輩は猫である。名前はまだない。 人間は、自分たちがどこから来たのかを、ずいぶん気にする。 祖先を調べ、骨を掘り、とうとう何万年も前のDNAまで読むようになった。 そして、小さな骨のかけらから、知らなかった人類を見つけた。 人間はこれを、デニソワ人と呼ぶ。 吾輩は思う。 ずいぶん少ない証拠から、ずいぶん大きな話になったものだと。 だが、DNAはなかなか正直らしい。 デニソワ人。 ネアンデルタール人。 そして、今を生きる人間。 昔の地球には、「人類」が一種類だけいたわけではなかった。 出会った。 すれ違った ...