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【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

2025/12/8

吾輩は猫である ―長寿猫の秘密 編―

吾輩は猫である。名はまだない。 近ごろ、飼い主がしみじみと吾輩をなでながら言った。「君も、いつの間にか立派なシニア猫だねえ…… なんでそんなに元気なの?」 ふむ。人間は気づいていないようだが、“長寿の秘密”にはいくつかコツがあるのだ。 まずひとつめ。よく眠る。寝ることこそ、猫の魔法である。歳を重ねれば重ねるほど、眠りは体と心を整える。飼い主が働いている間、吾輩が熟睡に勤しんでいるのは、決して怠惰ではない。 ふたつめ。好きなものを、好きと言えること。膝に乗りたいときは乗り、撫でられたくないときはスッと離れる ...

【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

2025/12/8

吾輩は猫である ―ペット保険 編―

吾輩は猫である。名はまだない。 最近、飼い主が書類とスマホを行ったり来たりしながら、「どうしようかな……」と何度もつぶやいている。どうやら“ペット保険”という人間の制度を調べているらしい。 吾輩としては、食べて寝て遊んで、たまにひっかいて、いつもの日々を生きるだけであるが、飼い主はどうにも心配らしい。 先日、皮膚炎で病院へ行った吾輩を見て、気づいたのだろう。――命に値段はないけれど、  守るための備えは必要だ、と。 飼い主は獣医殿に相談し、「もしものとき、負担が軽くなるなら安心ですね」と言われたらしい。そ ...

【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

2025/12/2

吾輩は猫である ―猫クエストIII 〜 魔王キャットタワー 編―

吾輩は猫である。名はまだない。 ある朝、目覚めると部屋の片隅にそびえる巨大な影があった。――キャットタワーである。だが、ただのタワーではない。 漆黒に光る柱、見たことのない高層階、てっぺんには禍々しい玉座。 その上に鎮座する者あり。その名も 魔王キャットタワー・ダークネス卿。どう見ても、飼い主が通販で買ったタワーが“魔界化”したらしい。 その声が響き渡った。「勇者ネコよ……IIIが始まるぞ……!」 吾輩は背中の毛を逆立てつつ、そっと飼い主を見た。飼い主はのんきにコーヒーを飲んでいる。どうやら、この戦いは吾 ...

【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

2025/12/2

吾輩は猫である ―猫クエスト I &II編―

(冒険のはじまり) 吾輩は猫である。名はまだない。 静かな昼下がり、吾輩の家の押し入れが光った。気になって覗き込むと、そこには不思議な古文書。表紙にはこう書かれていた。「ネコ勇者求ム」 気づけば吾輩は、剣とマントを装備し、見知らぬ草原に立っていた。――どうやら異世界である。 そこへ、白ひげのフクロウ賢者が現れた。「勇者よ、ネズミ王がご飯ストックを奪った。 取り返してくれぬか。」 ご飯ストック……それは使命である。吾輩は胸を張って答えた。「よかろう。行こうではないか。」 旅の途中、スライム型ほこり軍団に絡ま ...

【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

2025/12/2

吾輩は猫である ―猫ドライ vs ウェット 編―

吾輩は猫である。名はまだない。 今日の食卓(つまり吾輩の皿)は、いつになく緊張していた。 右側には“カリッ”と音を立てるドライフード。左側には“ふわり”と香り立つウェットフード。飼い主が腕を組んで言う。「どっちが好きなのか、今日はっきりさせようか」 吾輩は胸を張った。――この勝負、受けて立つ。 まずはドライフード。サクッ、カリッ。その歯ざわりはまさに職人の技。咀嚼のリズムが整うと、心まで規則正しくなるようだ。「これぞ、シンプルにして基本の味」と吾輩は感心した。 続いてウェットフード。ひと口で、肉と魚の香り ...

【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

2025/11/30

吾輩は猫である ―猫アレルギー 編―

吾輩は猫である。名はまだない。 ある日から、鼻がむずむず、目がしょぼしょぼ。くしゃみをすると、しっぽまで跳ねるほどの勢いだ。毛づくろいをするたび、なんだか肌がひりひりして落ち着かぬ。 飼い主が吾輩の様子に気づき、「もしかしてアレルギーじゃない?」と眉を寄せた。アレルギー――それは人間だけの悩みだと思っていた。まさか猫の世界にもあるとは、驚きである。 動物病院で検査を受けると、獣医殿はやさしい声で言った。「少しだけ食物アレルギーがあるみたいですね。 フードを変えて、環境も整えていきましょう。」 飼い主は真剣 ...

【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

2025/11/30

吾輩は猫である ―猫の皮膚炎 編―

吾輩は猫である。名はまだない。 最近、どうにも体がむずむずする。しっぽの付け根あたりをかくと、毛がふわりと抜け、赤くなっているではないか。これは……ただ事ではない。 飼い主が気づき、眉をしかめた。「ちょっと、これは皮膚炎かも」その声に、吾輩は胸がぎゅっと縮んだ。病院――あの独特の消毒の匂いと機械の音が頭をよぎる。 しかし、連れていかれた獣医殿はやさしかった。丁寧に毛をかき分け、「大丈夫ですよ、軽い炎症です。 薬を塗ればすぐ良くなります」と言った。 飼い主は熱心に説明を聞き、吾輩の背をそっと撫でた。その手つ ...

【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

2025/11/30

吾輩は猫である ―猫ラーメン 編―

吾輩は猫である。名はまだない。 ある夜、飼い主が帰宅すると、部屋いっぱいに湯気と香りを広げた。どうやら人気店のラーメンをテイクアウトしてきたらしい。 その瞬間、吾輩の鼻先をとんでもない匂いが襲った。豚骨と醤油と魚介の、人間が「禁断の旨味」と呼ぶやつである。 吾輩は思わず飼い主の足元へ。しかし飼い主は困った顔で言った。「ダメだよ、猫は食べちゃいけないの。」 ――知っている。塩分も脂も強すぎるのだ。だが、この香りはどうだ。夜の空気を震わせ、人間の魂を揺さぶるほどの破壊力がある。 飼い主が麺をすすり始めると、ズ ...

【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

2025/11/30

吾輩は猫である ―猫とネズミ 編―

吾輩は猫である。名はまだない。 ある晩、台所の隅でカサリ、と音がした。吾輩はしっぽを高く上げ、静かにその方向を見つめた。そこにいたのは――小さなネズミであった。 ネズミは震えながら吾輩を見上げた。「食べるなら早くしてくれ……」その覚悟の表情に、吾輩は思わず吹き出しそうになった。 「安心するがよい。吾輩は腹が満ちている。」そう告げると、ネズミはホッと息を漏らした。 やがて彼は、夜の台所での出来事や、人間の落としたパンくずの美味しさについて、早口で語り始めた。吾輩はそれを黙って聞いていた。 生きるとは、互いの ...

【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

2025/11/23

吾輩は猫である ―ChatGTP 編―

吾輩は猫である。名はまだない。 最近、飼い主がパソコンに向かい、「ChatGTPに聞いてみよ」とつぶやくことが増えた。 ChatGTPとは、人間の疑問に答える人工知能らしい。しかし、どうもこのGTP、――どこか惜しいのだ。 飼い主が「今日の献立教えて」と打てば、「あなたの名前はカツ丼です」と返し、「仕事の相談をしたい」と言えば、「まず深呼吸してニャーと鳴きましょう」と返す。 ふむ……そのアドバイスは、猫界では正しいが、人間界ではどうだろうか。 とはいえ、飼い主は楽しそうだった。笑ったり、突っ込んだり、まる ...